4連休の初日、落ち着いたら行きたいと思っていた、東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)へ。
せっかくなのでキモノでと、春に誂えたまま自粛で着る機会を逸していたレース着物をおろしました。
レースのキモノは着心地がよくて、くすんだ明るいブルーのものを愛用しているのですが、秋には少し寒々しいような気もしていたので、これを見つけた時には即決。
柔らかくて、ポコポコした刺繍が全体に施されているので、少々のシワは気にならないのも佳いところ。
一応、葡萄柄のようですが、いかにもじゃないので他の季節にも着られそう。
こちらはKIMONO MODERNさんで。
帯はこちらもずっと欲しいと思っていたミンサー帯。
八重山や読谷山など、沖縄のミンサーは産地によって異なるデザインが魅力ですが、こちらは首里織。
私もまったく詳しくなかったのですが、首里織についてはこちらのページの解説を参考にさせていただきました。
最近でこそカジュアルなレース着物やファブリック帯なども積極的に取り入れていますが、もともとキモノを始めた頃は、白洲正子さんのキモノのような、工芸の味わいのあるものにたいそう憧れていました。(キモノのきっかけからして小津映画だったもので…笑)
そんなこともあって、この帯を手にした時にはほんわかとした温かみに包まれるようでとても嬉しかったのです。
秋のキモノに締めたいと思っていたのが、早々に実現しました◎
つばめボビンの小物は何度か着けている、琥珀と巻玉の帯飾り(試作)と、ドイツ・セミヴィンテージボタンの帯留。
金属の粒々の質感が星屑のようで、一目惚れしたこのボタン、最初は金色の帯留は少し派手かな? と思わないでもなかったのですが、秋のこの落ち着いた日差しの下で見ると、なかなかどうして渋みがあっていい感じじゃないかなと思います。
相方は、数年前に高松を旅した時にkimono gallery晏さんで誂えた保多織の深いグリーンのキモノ。
庭園美術館へ行くので森をイメージして、茶色に鹿の子絞りの半衿と、茶色を基調とした裂織りのモジャモジャが秋らしい角帯。こちらはキモノ葉月さんで。
足許のコーディネートは茶色×茶色で、ちょっと失敗だったかな。。。
東京都庭園美術館ではアール・デコの建物と「東京モダン生活」という展示を観ました。
関東大震災後〜昭和初期という復興期は、さまざまなところで魅力的な文化や建物などが多く生まれ、時代が大きく変わった頃。力強く、私も大好きな時代。
近年のミュージアムショップは辟易させられることも多いのですが、今回はお土産も。
館内の照明をモチーフにしたマーキングクリップなんて、なんとも素敵なアイデア。
栞のようにも使えるクリップですが、手帖用に探していたので佳いものが見つかりました◎
猫のカンカンに入っているのは石鹸。こちらはもっぱらパケ買いで。。。
庭園美術館から歩いてすぐのところにあり、しばらく工事をしていた旧公衆衛生院が港区郷土歴史館になったというので、建物を見せてもらいに。
スクラッチタイルのカクカクした姿が東大に似てるなぁと思っていたら、やはり東京大学などを設計した内田祥三氏の手によるもので、昭和13年の築。建物だけなら無料で見学できます。
エントランスの天井の可愛らしい装飾や、講堂など、ほとんど誰もいない空間でじっくりと堪能させていただき、愉しい建物散歩となりました◎