昨年10月からご好評をいただいております、大阪・阪急うめだ本店 11階 《きものこんしゃす》さんでの、つばめボビンのキモノコモノの販売は、3月末日で一旦終了となります。
関西で実物をご覧いただける機会は現在のところ、こちらがほぼ初めてにして唯一。
次回の予定なども未定ですので、関西方面のキモノ好きの皆さま、この機会にぜひ、ご覧になっていただけましたら嬉しいです◎
さて、忘れた頃にやってくる、阪急うめだ本店・きものこんしゃすさんへ納品した品からつばめボビンのキモノコモノを紹介するシリーズ。
第6弾にして最終回は、《タッセル羽織紐》です。
▽これまでのご紹介はこちらから
第1弾:淡水パールの羽織紐
第2弾:ナプキンクリップ
第3弾:天然石の帯留
第4弾:ビーズの羽織紐
第5弾:天然石とパールの帯飾り
公式サイトの「About」や、旧ブログでも何度か書かせていただいているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、タッセル羽織紐は私の第一号作品にして、つばめボビンを始めるきっかけともなったキモノコモノ。
夫婦でキモノを始めた頃、相方のキモノに合わせる羽織紐に、なかなか気に入るものが見つかりませんでした。
当時よく使っていたのは、房のついた組紐タイプのもの。
世の中には天然石を連ねたものや、組紐と天然石の羽織紐もありましたが、相方はどうも「なんだかお大尽っぽい」と好みではなかったよう。(好きな方、作られている方、すみません)
骨董市や古道具店、リサイクルキモノのお店や百貨店などで色々と探すも、そもそも男性ものはキモノも小物も女性ものに比べて圧倒的に数も色数も少なく、すでに持っているものと同じようなものしか見つからなくて。
その頃の私が思っていたことは、女性のキモノは帯締め、帯揚げ、帯留、帯飾りに羽織紐など、装飾のポイントが帯周りに集中していくつもあるのに、男性のキモノは基本的に帯と羽織紐だけ。
男性の羽織紐は、女性のそれよりはるかに目立つ位置に来るのに、なぜこんなにも選択肢が少ないのだろう?
とはいえ、世の中はどうあれ使うのは身内なのだし、欲しいものがないなら、試しに私が作ってみよう。
手芸やモノづくりはもともと好きで、中途半端に色々なものをかじってはいた私、最初は裁縫や刺繍の延長のような軽い気持ちで作り始めたのでした。
角帯の上の、一番目立つ位置に来るのだから、少し個性的でデザイン性のあるものにしたい。
せっかく作るなら世の中によくあるものじゃなく、今まで見たことがないような、それでいて品のいい新しいデザインのものができたら、きっと楽しいに違いない♪
その頃、タッセル作りを少しずつ始めていたこと、相方が組紐タイプの羽織紐なら、と云っていたことがベースとなり、それならば真ん中にタッセルを配してはどうだろうか、と思いつきました。
色味やビーズの感じなど、時折本人の意見も聞いたりして出来上がった第一号が、こちら。
これを作ったとき、なんだか少し眠たいようなアンニュイな配色で、洋館の窓から午后の木漏れ日が差し込んでいるような情景が浮かびました。
つばめボビンのブランド紹介の文面として、少し前から出している「旧い洋館の、曇った窓から差し込む午后の日差しのような、どこかアンニュイな色彩」という文章は、実はここから生まれたもの。
せっかくなので、ちょっとかっこいい名前でもつけたいと思いましたが、タッセルのついた羽織紐ということでわかりやすさを第一に、名前はそのまま【タッセル羽織紐】に。
この後、実際に使用しながら羽織紐やタッセルの長さ、強度などを調整をし、少しずつ現在の形に近づいていきました。
タッセル羽織紐を着けた相方の着姿は、みなさんの優しさのおかげで概ね好評で、それに気をよくした相方はキモノが好きになり、私は愉しくなってきた製作が現在のつばめボビンへと繋がっていくことに。
タッセル羽織紐は、少し個性的でボリュームもあるので、当初はあまり女性には受け入れられないかもしれない、と思っていました。
しかし、蓋を開けてみれば意外にも女性のお客さまのほうが多く、一度などは遠く海を渡って旅立った子も。
タッセル羽織紐は、以下のような工程で製作しています。
・全体の雰囲気をイメージし、タッセルに使用する絹糸の色を選び、まずはタッセルを製作。
↓
・出来上がったタッセルに合わせて、天然石やガラス、アクリルなどのビーズをコラージュ。
(色や形のバランスをみながらのコラージュは一点もの。一度で決まる場合もあれば、延々悩むこともあり、なかなか製作時間が安定しません。)
↓
・コラージュが決まればあとはつなぐ作業。タッセルと合体させ、フックやロゴプレートを取り付けて完成!
さまざまなコラージュ作品のなかでも、実はもっとも手間と時間がかかり、ゆとりのないときはなかなか作れなかったりします。
一時期、全体の品数が増えたり価格改訂などであまり動きがなかった時期には、やはりちょっと個性的すぎるだろうかと悩み、製作をやめてしまおうか、と思ったこともありました。
それでも、やはりタッセル羽織紐はつばめボビンの原点。
細々とでも作り続けていれば、気に入ってくださる方がみえるかもしれない。
そんなこともあったので、阪急うめだ本店さんからお話をいただき、最初に「タッセルのついた羽織紐を」とおっしゃっていただいたときには、驚くとともに、やはりタッセル羽織紐を作り続けてきてよかった…! と胸が熱くなりました。
タッセルの作り方やフックの仕様などは試行錯誤を重ね、少しずつ進化しています。
タッセルを取り外せるようにして2wayで、なども検討したことがありましたが、どっちつかずでデザインも中途半端になってしまうため、断念。
タッセル羽織紐はその生い立ちから男女兼用ですが、男性向けの羽織紐については一度、男のきもの専門店の店主さんにお話を伺ったことがありました。
もっとゴツくて大ぶりでもいいというアドバイスをいただき、製作したスペシャルバーションも。
これからも、進化を続けていくかもしれない、タッセル羽織紐。
私には常に初心を思い出させてくれる、ちょっと特別な作品でもあります。
阪急うめだ本店さんでも、おかげさまでご好評をいただいているようで、追加納品もさせていただいております。
3月末のお取扱い終了まで、まだ少し日にちもありますので、お花見などのお散歩がてら、ぜひ足を運んでいただけましたら幸いです。
\3月末日まで!/
▽【大阪】つばめボビンのキモノコモノをお取扱いいただいております▽
阪急百貨店うめだ本店
11階
きもの売場《きものこんしゃす》
大阪市北区角田町8番7号
羽織紐各種/帯留/帯飾り/ナプキンクリップ
また、ありがたいことに昨年末からご注文が重なり、オンラインショップの方もタッセル羽織紐は少し品薄になっております。
3/25〜の東急百貨店たまプラーザ店での出展にむけ、少しずつ製作も進めておりますので、こちらでも是非、ご覧いただけましたら嬉しいです♫
3/25(木)-31(水)
東急百貨店 たまプラーザ店 2階 Gallery Doma
神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-7
東急田園都市線 たまプラーザ駅 中央改札口より徒歩約1分
10:00〜18:30